串本訛り ― 2015年06月06日 22時00分21秒
私は新宮生まれで串本育ちですが、未だに言葉では悩まされています。
和歌山には元来敬語というのがなくて、大阪で目上の人や他の会社のトップなどと会話をするときに苦労しています。
紀南お言葉で面白いところは、田辺、串本、勝浦、新宮とそれぞれ微妙な違いがありそれぞれが紀南の言葉は、こちらが本流と思っているところにおもしろさがあると思います。
高校の時新宮から赴任してきた先生のイントネーションをまねして校内放送をしたりしました。
串本の人は、これは私の独断ですが、串本にすんでいる人の流れは3つあり、アイヌ系の名残の土着系の人と、京都や大阪から紀南に住み着いた内地系と、そして南方からきた海来系の3つに区分されるのではないかと思っています。
すむところも微妙に違い、内地系と思われる人は成績もよくて商売も上手だったかなと思っています。
私の祖先は母方はわかっているのですが、父方はたぶん、海来系ではないかと思っています。
さて、言葉。
串本の言葉は、そんな祖先を引き継いで、真の古語(いわゆる大和言葉)かアイヌ族系の古語か、そして海来系の言葉がミックスされているのではないかと思っています。
串本の盆踊りの囃子詞に、
「ええやああーとせーよおいやな」
「ああこてばいなー」
などというのがあって、串本の人はたぶん何百年と使っているのにその意味が全くわからないのです。
私は、意外に東南アジアのどこかの国に、こうしたフレーズを使っているところがあるのではないかと思っています。
踊りのリズムも新宮や古座などの他の地域とは、どこか違っています。
(1973年)
(2015年)
それだけでは特に言葉に苦労することはないのですが、海来系は多くを話さないし、陸来系はくどいくらい話が長いという、同級生でも特徴がありました。
例を挙げれば、
「そうですか」という言葉を、串本では、
VIPには、「そうでごんだりますか」
その次のひとには、「そうでごだりますか」
ここまでが京や大坂から来た陸来系のことばで、この次に海来系の、
「そうかいのんし」があり、これは会社で言えば少し目上の課長クラスに対して使います。
同輩には、「そうかい」
目下には、「そうか」
となります。
わたしはこの「そうかい」という言葉がいまだでてきて、誰にでも、「そうかい」といってしまいます。
「行っている」という言葉でも、海来系では、
「いきやる」となり、いまだにあわてると出るときがあります。
そんな複雑怪奇な串本弁で育ったので、いまだ日本語そのものもあやふやです。
だから英語などとてもとても。
一応英検はとってますが、会話など不可能に近いですね。
最近会社で中国語を習っている人がいるのですが、そのひとが勉強中に私が先に帰るときなど、「再見」と中国語で言うと。
「それなまっている」といわれます。(^^)
写真は古い串本の潮岬と橋杭です。
40年前とほとんど変わっていません。
うれしいような悲しいような・・・。
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