今日は満月2019年09月15日 22時28分39秒

下界の暑さを知らぬげにお月様は雲一つない天空で涼しげに輝いていた。
毎年この日にカメラを向けるが今年が一番暑かったように思う。
今年は凄く眠たいので、ずるをしてDX用の70-300mmをフルサイズにつけ撮った。

それにしてもお国は国民や自然のことなど全然考えていないと言うことが、今回もいやというほど知らされた。
あの衝撃的なギロチン閉門からずいぶん経ったが、未だにお金で片をつけようとしている。

諫早湾は有明海の内湾で、湾奥部の諫早干潟を含め、飛び抜けて魚介類の生産性の高い海域であり、瀬戸内海がまったく汚染されていないころの生産力に匹敵するといわれていた。
そんな豊かな湾の大規模な干拓計画が1970年にでて、休止、再開、計画内容の変更などが重なり、遅れたが97年4月14日、潮受け堤防の排水門が締め切られた。

これには強い反対もあり、全国的な問題となったが、農林水産省と県、市は「防災と優良農地の造成」を名目に強行し、貴重な干潟を抹殺した。
干潟は魚介類の生産の場としてだけでなく、高い水質浄化機能をもち、渡り鳥のかけがえのない中継点、越冬地でもある。

この事業の当初予算は1350億円だったが、それが2370億円に膨れ上がったうえに防災のためにも干拓をしたと言うが、また国土交通省は諫早湾に注ぐ本明川に防災ダムの建設を計画しているなど、やることがめちゃくちゃである。

国民不在の縦割り行政の最たるものである。

その割には九州でも大雨が降れば災害が出て、50年に一度の大雨だから仕方ない、と高をくくっている。
しかしこれから毎年災害が起こる可能性のある地球環境になってきているとき、今のままではなんとも心許ない。

一部のものにもうけさせていいかっこをしたいのだろうが、もう国民をだませない。
諫早湾にかつてのような自然の復活を期待して開門してほしいね。
農地が必要と言っているが、山を育てると海も生き返る。
お役所の皆さんはそのあたりのシステムも勉強してほしいといつも思う。

造ったものは何の負い目も感じず、のうのうとしている。
農家や漁業者の声をもっと真剣に聞いてほしい。
そしてもう一歩踏み込んで、自然界の生き物全体の叫びも聞いてほしい。
彼らがいなくなると人類も滅びるのだから。