流れの速い黒潮を横切り、夜を徹して丸2日。2019年07月18日 15時51分44秒

小さいころ「コンチキ号漂流記」に夢中になったことがある。
ヘイエルダールはポリネシア人の祖先が南米から海を渡って渡来したアメリカ・インディアンだという説を立証するため、当時の造船方法で船を作り、6名クルーで漂流実験をした。
漂流実験は成功し、その漂流記が本となり、翻訳も出て読むことができた。
映画にもなったと思うがそれは見ていない。

先日、国立科学博物館のチームが、丸木舟で台湾から200キロ以上離れた沖縄県・与那国島に到着したという、
日本人が5人の漕ぎ手で、台湾から沖縄へと何もない杉の丸木舟で黒潮に乗り見事に成功した。

地図や時計は持たず、星や太陽の位置で方角を判断しながらの旅。
流れの速い黒潮を横切り、夜を徹して丸2日近くこぎ続けた。

3万年前の航海を実現したわけである。

これは、コンチキ号は六分儀・時計といった航法機器や各種無線通信機・発振器やボートなどをもっとの航海だったが、彼らはそれらを全く持たないで航海実験をしたところに価値がある。

日本人の祖先はどこから来たかという議論があるが、やはり東南アジアからもかなりやってきていることを今回の実験で実証された。

是非本を出して快挙を多くの人に伝えてほしいと思う。

面白いのは、今回のプロジェクトの資金集めはインターネットを通じて寄付を募るクラウドファンディングであるということだ。
さらに面白く思ったのは、日経新聞にも載っていたが、英国政府からの援助物資にサメよけの粉薬があり、担当者に効き目について尋ねると、「実は、それを君たちに試してもらいたいんだ」という答えが返ったという。
イギリス人らしいユーモア。